新年のごあいさつ|いさぷれす2021
昨年「バズった」コトバは…?!
ということで、2年ぶりに『オンライン版いさぷれす』でございます。
では早速、今年も昨年、じゃなくて前回(一昨年)の『いさぷれす』同様、英国版「新語・流行語大賞」をご紹介。
因みに、英語で「新語・流行語大賞」は Word of the Year といいます。
ただし、日本で「新語・流行語大賞」は、ユーキャンが年末に選ぶ例のヤツのほぼ独占状態なのと違って、イギリスは著名な辞書の出版社がそれぞれ独自に選ぶほか、近年ではオンライン辞書サイトもこの賞レース(?)に参戦して、毎年複数の一年を彩ったコトバがいろいろ選出されています。
まさに、diversity(多様性)だなぁ。
で、こういうことがもちろん、イギリスだけじゃなく世界各国で行われてますけど、まぁイギリスのが一番歴史もあるってことで、世界的に注目されてる、ってワケです。
で、肝心の「大賞」ですが、我が日本はご存知、昨年の大賞ワードが「3密」。何のかんので、やっぱりコロナに振り回された1年だったわけですが、それは世界も一緒。
まさに世界中がコロナに振り回された。
ってことで、まずはネット時代にふさわしく、世界的なオンライン辞書サイトの Dictionary.com のワードから。
ココが選んだのが “pandemic” で、珍しいことに、この “pandemic” が、アメリカ有数の辞書出版社 Merriam-Webster が選ぶ Word of the Year と思いっきり丸カブり。
さっきも言ったように、毎年各社が独自に何万語のコトバの中から選ぶので、今回のようにカブるのは珍しい。
それだけ “pandemic” が世界的に「バズった」証拠とも言えます。
因みに “pandemic” とは「感染症の世界的な流行」のコト。長いので一部では「感染爆発」とか言われてたりしますが、日本でもパンデミック、とそのまま言う事も多いみたいで。
まぁ思いっきりコロナなワードではあります。
パンデミックと言えば、日本のメディアでは、コロナが流行り始めた2~3月頃とかは特に、overshoot という聞き慣れないワードが突如出現。
よく聞くと要するに「感染爆発」で、つまりパンデミック、といえば済むハナシだったのに、それをわざわざオーバーシュート、なんて言葉でご丁寧に言い換える、という茶番が連日展開されてたっけ。
結局、どうしてもオリンピックをやりたい連中が、コロナは大したことない、パンデミックなんて言ったらホントに大事になってしまう、と現実逃避した挙句に、無理やりひねり出したのが、このオーバーシュート、というワケ。
CNNもBBCも世界のメディアが当初からパンデミックだ大変だ、と騒いでいた中、日本だけがオーバーシュート、って言ってた、というのが真相。
確かに overshoot は正しい英語ではあるけど、マトモなネイティブは感染症に対して overshoot なんてまず言わない。
ブルームバーグとか経済ニュースを見てると出てきたりしますが。
てなハナシは長くなるのでいずれ、コロナで現在休止中の『ほぼナイ!』で詳しくやります。
「電通五輪」というすばらしいワードを発明したのは(多分)『ほぼナイ!』だけ。
詳しくはちょっと古いけど、レビューブログ『「迷走」東京五輪マラソン:千葉も東京なら札幌も東京?!』をどうぞ。
さて本題。 “pandemic” 以外だと、イギリスの Collins English Dictionary が選んだワードは “lockdown” で、これも日本語化しましたね。
あとこれもイギリスの大手辞書 Cambridge が選んだのが ”quarantine” で、これは「隔離」ですね。
どれもこれも、やっぱコロナ関連。
そしてこれも世界が注目する OED (The Oxford English Dictionary) はなんと対象ナシ。
その理由が
As our Word of the Year process started and this data was opened up, it quickly became apparent that 2020 is not a year that could neatly be accommodated in one single “word of the year”
って、要するに「今年は多すぎてえらべねーよ」ってコト。まさかの試合放棄。
ま、それくらい去年は大変な1年だったってコトで、今年はぜひ、コロナの終息と穏やかな一年でありますように。
二代目